電気料金:関電と九電値上げ、消費者庁が追加削減要求(毎日新聞、2013/03/22)
http://mainichi.jp/select/news/20130323k0000m020026000c.html
東北電力、値上げ申請 被災地復興の足かせ懸念 : J-CASTニュース
一方、こんなニュースも。
電気料金を年間6650万円も削減、東京・世田谷区が新電力を拡大 (Yahoo ニュース)
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130308-00010001-biz_it_sj-nb
そしてこんなニュースも。
原発停止で火発燃料費、3兆円増試算…値上げへ : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
あれれ、おかしくないか?新聞の論調は原発が止まって燃料費が増加したから大手電力会社は値上げしていると。でも、世田谷区のニュースはどうだろう。新電力の多くは大手電力会社と同じで設備はほとんど火力(天然ガスか石油、石炭)。
矛盾したことが起きている。同じ燃料を輸入し、それを燃やして発電しているのに、9電力と呼ばれる大手電力会社は値上げをほのめかし、新電力と呼ばれる発電会社のそれは9電力に比べると格段に安い。(だから世田谷区や東京都は東電をやめて新電力に切り替えている)
ということは、大手9電力の値上げ申請(この場合の値上げは為替のレートの上下によるものは考慮しない。為替レートによる電気料金の変動は原発事故とはかかわりなく、今までも円とドルの変換レートの変動に応じて値上げ、あるいは値下げの調整が行われてきているため。)
では、沖縄電力を除く大手9電力はなぜ値上げしなくてはならないのか。それは原子力関連の設備の資産やその運用コストが足かせになているからだ。
原発は動けば電気代の収入があるが、とまれば原子炉を冷やしたり、使用済み核燃料の処理などに莫大なコストがかる。311前は原発は、定期点検以外はそこそこの成績で運転できていたので、これは問題にならなかったが311で福島原発事故が起こるやいなや、原発の運転が思うように行かない事態が招じてしまった。
原発は止めると莫大なエネルギーを消費する。(100万キロワット級の原発で、停止直後の発熱量はおよそ5万キロワット程度と言われる。)時間とともに崩壊熱は少しづつ減っていくので、冷却に必要なエネルギーも緩やかに減っていくが、それでも3−5年は水を循環させて冷やさないと大変なことになるという事は福島原発の事故が証明してしまった。
火力は事故があって施設が停電しても体制に影響はないが(燃料が燃え尽きればそれでおしまい、避難したとしても原発のように何十キロも先に逃げなくて良いし、火災が仮にあっても鎮火すれば現場に戻れる)原発は制御棒を突っ込んで止めてからが勝負。少なくとも数年から数十年は電気を引いて水を循環し、冷やし続けなければならない。
福島事故が原子力発電事業の恥部を暴いてしまったわけだ。原発は安くない。安くないだけならともかく、止まっていてもとにかく電気を使い続ける。冷やさずにはいられない。
取り出した使用済み燃料も処分には膨大なコストがかかる。非再生可能エネルギーの火力は燃料は二酸化炭素に化けるか、石炭なら焚き殻が残るが、灰として扱うので使用済み核燃料などの危険物質ではなく、扱いも容易である。(少なくとも焚き殻に人間が近づいて死ぬことはない)
こういうことを書くと必ず、CO2の問題はどうする?というツッコミが来る。でもご存知だろうか。CO2の上昇で地球温暖化が起きるという論文そのものが茶番だったことが。
(詳しくは広瀬隆氏の著作、二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書)を参照されたい。
要するに二酸化炭素増加による環境破壊ネタでビジネスにしてひと儲けしようという勢力があったという事。信じられないかもしれないがNYタイムスなどでは大々的に報じられているので、米国民でこの手の環境問題に関心のある人々は多くがこの事実を知っている。アメリカで石油や天然ガスが温暖化による環境破壊の根源だと思うか聞けば、日本人のそれほどCO2温暖化説を信じる人はいないであろう。
個人的な意見としては、中部電力あたりに抜け駆けして原子力から脱却してもらいたいものだがそうもういかないだろう。中部電力はもともと原子力の依存度が低い(浜岡の設備しか持っていない)その上、最新天然ガス火力設備の投資をすすめており、新潟の上越火力などに最新設備を持っているため、原発をやめても関西電力のように経営的になんとかならなくもない。(もともと浜岡原発の稼働率が50%前後と、異常に低かったことも要因)
関西電力を見てわかる通り、原子力設備は明らかにお荷物だし、不良債権化した設備が経営に多大な悪影響を及ぼしているという事も暴露されてしまった。
産経新聞などは、事故後2年たったいまでも原子力が液化天然ガスや石炭より安いと述べているが、根拠がない。原子力のコストはその多くはあるモデルに基づいた計算で弾きだされているので、ようするに原子力ムラに都合の良い計算方法で算出している。都合の悪い使用済み燃料コストやバックエンドのコストは含まない値を出してくるので安くて当然と言えば当然。
結論は、“原子力は安くない”
なにより、使用済み核燃料をこれから数百年、あるいは数万年管理していくコストなど一体誰が算出できるだろう。事実上それは無理だから発電コストに入れていないだけなのである。
2012年末の選挙で自民党が圧勝し、電力自由化のチャンスがまた遠のいてしまった。
自由化すれば原子力などの高コスト事業は自然消滅する。コスト的に見合わないことはアメリカの電力業界が証明してくれている。アメリカやイギリスのように、使用済み核燃料を劣化ウラン弾にして売ればそれは利益になるが、核兵器を作れない日本ではそれは無理。行き場がないのである。もんじゅを使った核燃サイクルも破綻していて、もはや逃げ場もない。
もう一度結論。原子力には見切りをつけよう。再生可能(自然)エネルギーは普及に時間がかかる。その間は天然ガスと石炭石油でいいのです。
原子力だけはやってはいけません。小出先生も講演のたびにそう説教されています。これは事実です。経済的にもそのほうがいいのです。関電や九州電力に原発やめていい、不良債権化した原子力事業は国がつくる精算会社が面倒を見てあげるよ、言えばひょいひょいと手を上げることでしょう。だって原子力はそもそもがお荷物で、電気事業者はいやいや国の政策でやらされているだけなんですから。
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